家賃保証会社とは、借主が家賃を払えなくなったときに代わりに貸主へ支払う(立て替える)会社のことで、いわば連帯保証人の役割を有料で引き受ける会社です。費用は初回に家賃の50〜100%程度、その後は1年ごとや月々の更新料がかかるのが一般的で、現在は多くの物件で利用が契約の条件になっています。
「保証会社を使えば連帯保証人はいらないのか」「審査では何を見られるのか」「落ちたらどうなるのか」といった疑問に、この記事で順に答えていきます。仕組みを知っておけば、申込の段階で慌てずに済みます。
家賃保証会社の役割と仕組み
家賃保証会社は、借主と保証委託契約を結び、借主が家賃を滞納したときに貸主へ立て替え払いをします。立て替えた分は後日、保証会社から借主に請求されます。あくまで「立て替え」であって、借主の支払い義務がなくなるわけではない点に注意してください。
- 保証会社は借主が費用を払って利用するが、守られるのは主に貸主側の利益(家賃の回収)
- 保証会社を利用すれば連帯保証人が不要になる物件が多い
- 2020年4月施行の改正民法で個人の連帯保証人には極度額(上限額)の定めが必要になり、保証人を頼みにくくなったことも、保証会社の普及を後押ししている
貸主からすると、身内の連帯保証人よりも保証会社のほうが確実に回収できるため、名古屋市内でも募集条件に「保証会社利用必須」と記載されている物件が大半を占めています。
保証会社にかかる費用の目安
費用は保証会社の料金プランによって異なります。代表的な体系を表にまとめます。金額はすべて目安で、物件・保証会社によって異なります。
| 費用の種類 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 初回保証料 | 家賃(共益費込み)の50〜100%程度 | 契約時に一括で支払う。プランによっては家賃の30%程度や定額のものもある |
| 年間更新料 | 1万円前後/年 | 1年ごとに支払うタイプ |
| 月額保証料 | 家賃の1〜2%程度/月 | 毎月の家賃と一緒に支払うタイプ。年間更新料と併用の場合もある |
| 契約更新時の保証料 | 家賃の10〜30%程度 | 2年ごとの賃貸借契約更新に合わせて請求されるタイプ |
家賃7万円の物件で初回保証料が家賃の50%なら3.5万円、100%なら7万円です。初期費用の中では仲介手数料や敷金・礼金に次ぐ大きさになることも多く、内訳を見るときに見落とせない項目です。
なお、初回保証料は退去しても返還されません。また、契約途中で解約しても月割りで戻ってくることは基本的にないため、短期で退去する可能性がある場合は、初回料金が低く月額型のプランのほうが結果的に安くなることもあります。
審査の仕組みと見られるポイント
保証会社は申込書と提出書類をもとに審査を行います。基準は各社非公開ですが、一般に次の点が見られています。
収入と家賃のバランス
もっとも重視されるのは、家賃を無理なく払い続けられるかどうかです。家賃(共益費込み)が月収の3分の1以内が一つの目安とされています。手取りではなく額面で見るのが一般的ですが、保証会社によって扱いが異なります。
職業・雇用形態・勤続年数
正社員・公務員は安定性が高いと評価されやすく、契約社員・派遣社員・自営業・フリーランスはやや慎重に見られる傾向があります。ただし、収入と家賃のバランスが取れていれば問題なく通ることが多く、雇用形態だけで落とされるものではありません。転職直後や内定段階でも、内定通知書や雇用契約書で見込み収入を示せば通るケースが多いです。
過去の家賃滞納歴
保証会社の一部は業界団体(全国賃貸保証業協会など)を通じて滞納情報を共有しています。過去に保証会社を利用して家賃を滞納したことがあると、同じ団体に加盟する保証会社の審査に影響することがあります。
信用情報(信販系の場合)
信販系の保証会社(クレジットカード会社の系列など)は、クレジットカードやローンの支払い履歴を確認します。過去に長期延滞や債務整理があると、信販系の審査は通りにくくなります。一方、独立系の保証会社は信用情報を見ないことが多いため、同じ状況でも結果が変わることがあります。
保証会社の種類
| 種類 | 特徴 | 審査の傾向 |
|---|---|---|
| 信販系 | クレジットカード会社などの系列 | 信用情報を確認するため比較的厳しめ |
| 協会加盟の独立系 | 家賃保証専業で、業界団体に加盟 | 家賃滞納歴を共有。信用情報は見ないことが多い |
| 独立系(非加盟) | 家賃保証専業で、団体に加盟していない | 各社独自の基準。比較的通りやすいとされる |
どの保証会社を使うかは貸主・管理会社が決めているため、借主が自由に選べるとは限りません。ただし、複数の保証会社と提携している管理会社であれば、1社目で通らなかった場合に別の会社で再審査できることがあります。
連帯保証人との違い
連帯保証人は、借主が家賃を払えないときに借主と同じ責任を負う人のことです。親や兄弟などの親族が引き受けるのが一般的です。保証会社との違いは次の通りです。
- 費用: 連帯保証人は無料。保証会社は初回保証料と更新料がかかる
- 責任の範囲: 連帯保証人は極度額の範囲内で家賃滞納や損害賠償まで責任を負う。保証会社は保証委託契約で定めた範囲(家賃・共益費・原状回復費用など)を立て替える
- 人間関係: 連帯保証人は頼む相手に負担をかける。保証会社は第三者のため気兼ねがない
- 必要性: 現在は保証会社が必須の物件が多く、連帯保証人がいても保証会社を利用する形が主流。物件によっては両方を求められる
改正民法により、個人が連帯保証人になる場合は極度額(責任の上限額)を契約書に明記しなければ保証契約自体が無効になります。極度額は家賃の数か月〜24か月分程度で設定されることが多く、頼まれた側が引き受けにくくなったことも、保証会社の普及につながっています。
審査に通りにくいときの対処法
審査に不安がある場合や、実際に落ちてしまった場合は、次の方法を検討してください。
- 別の保証会社で再審査する: 管理会社に他の保証会社の選択肢がないか相談する。信販系で落ちた場合、独立系で通ることは珍しくない
- 連帯保証人を追加する: 保証会社に加えて連帯保証人を付けることで通る場合がある
- 家賃の低い物件に変える: 収入とのバランスが原因なら、家賃を下げるのがもっとも確実
- 預貯金や資産を示す: 収入が不安定な場合、預貯金の残高証明で支払い能力を補える保証会社もある
- 申込内容を正確に書く: 収入や勤務先の記載ミス、電話確認に出られなかったなど、内容以前の理由で審査が止まることもある。緊急連絡先にも事前に伝えておく
審査の結果や理由は借主に開示されないのが通常です。理由を追及するより、別の保証会社や物件で進めるほうが早く解決することが多いです。
まるすま賃貸では、初期費用の内訳を契約前に明示する際、保証会社の初回保証料と更新料の体系も合わせてお伝えしています。SUUMOやHOME'Sなど他のサイトで見つけた物件も、物件URLをLINEで送っていただければ、利用する保証会社と費用の目安を含めてご案内します。
申込前に確認しておきたいこと
保証会社に関して、申込前に管理会社や不動産会社に確認しておくと安心な点をまとめます。
- 保証会社の利用は必須か、連帯保証人で代替できるか
- 初回保証料と更新料の金額、更新料の支払いタイミング(年1回か、月々か、契約更新時か)
- 保証会社は指定か、複数から選べるか
- 保証の範囲(家賃だけか、原状回復費用や違約金まで含むか)
- 審査に必要な書類(本人確認書類、収入証明、内定通知書など)と、審査にかかる日数(通常は数日程度)
まとめ
- 家賃保証会社は、借主の家賃滞納時に貸主へ立て替え払いをする会社。連帯保証人の役割を有料で引き受ける存在で、現在は利用必須の物件が大半
- 費用は初回に家賃の50〜100%程度、その後は年1万円前後や月額1〜2%程度の更新料が目安(物件・保証会社によって異なる)
- 審査では収入と家賃のバランス、職業・雇用形態、滞納歴が見られ、信販系は信用情報も確認する
- 連帯保証人との違いは、費用がかかる代わりに人間関係の負担がなく、貸主にとっては回収の確実性が高い点
- 審査に落ちたら、別の保証会社での再審査や連帯保証人の追加、物件の変更で対処できることが多い
保証会社の費用は見落とされがちな項目です。金額と料金体系を契約前に確認し、納得したうえで申込に進んでください。